「福島原発が今どうなっているのか知りたい」
「今度原子力発電所はどうなるの?」
「廃止措置中って何?」
「株式会社アトックスの福島復興事業について知りたい」
2022年は6月の末頃から猛暑になって電力不足の危機にも発展しましたが、お店に行くと普段は点灯している照明が一部消灯状態になっていたなどはつい最近の出来事です。
間引きしているのは全ての店舗ではないのですが、電力不足になると照明の数を減らさなければなりませんし、エアコンの設定温度においても通常より1度や2度上げないとならなくなるかもしれませんね。
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株式会社アトックスについて調べてみた
廃止措置とは | 日本原子力発電株式会社
本来稼働しているはずの火力発電所が動いていない
電力不足なっている原因は原子力発電が稼働していないから、このようなイメージを持つ人も多いといえます。
これも全く関与していないとはいい切れるものではないのですが、本来稼働しているはずの火力発電所が動いていないなどが主な原因になっているようです。
電気は消費者が選べる時代などのようにいわれている電力自由化は、少しでも電気代を安くしないとお客さんが利用してくれないため価格をぎりぎりまで下げる事業者も多いといいます。
しかし、火力発電は燃料が必要であり燃料を購入するためのコストを考えると価格をあまり下げてしまえば経営が成り立たなくなるなど、廃業に追い込まれる事業者も存在しているようです。
2011年に発生した東北沖地震で福島原発事故
2011年に発生した東北沖地震で福島原発が事故を起こしてから、日本の原発は実質稼働しているものがゼロ、そのため電力を作り出す主流となる火力や水力が欠かせない存在になっているわけです。
ちなみに、稼働しているものはゼロのように考える人も多いようですが、原子力規制委員会の公式サイトにアクセスを行うと、そこには現在の運転状況を見ることができるコンテンツが用意されていて関西電力株式会社の大飯発電所(3号機)・四国電力株式会社の伊方発電所(3号機)・九州電力株式会社の川内原子力発電所(1号機および2号機)が運転中の表示になっていることが分かります。
他の発電所やここに記載してある原子炉は廃止になっているものや停止中、廃止措置中などの3つに分類が行われています。
廃止措置中とは
なお、廃止措置中とは、発電を終えた発電所から使用済みの燃料を取り出して、施設解体を行って放射性物質を取り除く作業を意味します。
停止中の原子炉は、定期点検中の表記になっているけれどもこれは稼働する可能性があるのか否かを示すものではなくそのまま廃止や廃止措置中になる可能性もゼロとはいい切れません。
稼働しているものも将来的に停止になることもあるでしょうし、廃止になることもあるため電力不足の問題はさらに高まるのではないか、このように考える人も多いわけです。
日本の中での廃止措置のステップ
日本の中での廃止措置は、30年から40年など長い歳月をかけて段階的に進めることになり、段階としては4つのステップで行われます。
第一段階は、燃料の搬出・汚染状況の調査・除染などです。
使用済み燃料および未使用の燃料を搬出する、それと同時に放射性物質による施設内の汚染状況を調査して除染を行うなどの流れです。
第二段階は、タービンなど周辺設備の解体になるのですがタービンは原子炉と比べると放射性物質の量が少ないため最初にこれらの設備の解体撤去を実施します。
第三段階は、放射性物質の量が多い原子炉本体などの解体撤去で第四段階は建屋内の放射性物質を除去できたことを確認してから建屋の解体を実施するなど、これらを30~40年の期間をかけて行うことになるわけですから、とても大変な工程になることは理解できるのではないでしょうか。
女川原発の1号機の場合
廃止撤廃で解体廃棄物が発生するけれども廃棄物の量は女川原発の1号機で30数万トン、女川原発の2号機および3号機で50数万トン、東通原発の1号機で50数万トン、膨大な量を推定しているのですが9割以上は放射性物質ではない一般産業廃棄物です。
女川原発の1号機の場合、放射性物質ではない一般産業廃棄物は約28.4万トンで全体の約94%、クリアランス対象物(放射能濃度が極めて低く、人体に影響がないことを国が認めた廃棄物)が約1.2万トンで全体の約4%、そして低レベルの放射性廃棄物が約0.6万トンで全体の約2%、このような廃棄物量および割合になっているようです。
低レベル放射性廃棄物について
クリアランス対象物や一般産業廃棄物は人的な影響を与えるものではないけれども、低レベルの放射性廃棄物は誰が考えても人体に影響を与えるものですから廃棄においての不安は高まります。
低レベル放射性廃棄物は、放射能のレベルに応じて分類してからそれぞれ適切に処分するといいますが、これらの処分先の確保については原子力事業者共通の課題になっています。
なお、放射性廃棄物はレベル1~3までの3段階で区分が行われており、レベル1が最も高くレベル3が最も低いといわれています。
まとめ
女川原発1号機の場合、コンクリート・金属(解体時約87%)がレベル3、廃液・フィルター・手袋などの消耗品(解体時約12%)がレベル2、原子炉内の構造物(解体時約1%)がレベル1に区分されるようです。
放射能レベルが高いレベル1は全体の約1%ではあるけれども、中深度処理など適切な方法で処分をしなければ環境汚染へのリスクが高まります。